専修学校

専修学校(専⾨学校)とは、職業教育に特化した学校です。そのため、将来めざす職業に必要な技術の習得や、資格取得のための実践的な教育を⾏っています。また就職⽀援体制も整っており、専⾨的な技術だけでなく社会⼈として必要なスキルやマナーの教育も実施しています。⼀定の要件を満たした専⾨課程を修了すると「⾼度専⾨⼠」「専⾨⼠」といった称号が⽂部科学省より付与され、⼤学編⼊や⼤学院⼊学も可能となるなど、近年専⾨学校卒業者の社会的地位は向上しています。

専修学校(専⾨学校)の3つの課程

専修学校と⼀⼝に⾔っても、⼊学資格によって「専⾨学校(専⾨課程)」「⾼等専修学校(⾼等課程)」「⼀般課程」と3つの課程があり、そのうちの「専⾨課程」を「専⾨学校」とも呼びます。

⼊学資格が異なる3つの課程

専修学校入学資格
専門学校(専門課程)高等学校卒業者
3年制の高等専修学校卒業者
高等専修学校(高等課程)中学校卒業者
一般課程特になし

専修学校制度の位置づけ

(※1)修業年限が4年以上等の要件を満たした専門学校の修了者は大学院へ進学が可能です。
(※2)修業年限が2年以上等の要件を満たした専門学校の修了者は大学へ編入学が可能です。
(※3)一定の要件を満たす高等専修学校の修了者は、大学・短期大学・専門学校へ進学が可能です。

専修学校(専⾨学校)の教育内容

課程の名称教育内容等
専門課程
  • 修行年限1年以上、年間授業時間数800時間以上
  • 一定の要件を満たす学科の卒業者には「高度専門士」、「専門士」の称号を付与
職業実践専門課程専門課程の中で、修行年限2年以上かつ企業等との連携など一定の要件を満たす学科を文部科学大臣が認定
高等課程修行年限1年以上、年間授業時間数800時間以上
※修行年限3年以上で2,800時間以上の教育を行う課程の卒業者は大学入学資格が得られます。
一般課程修行年限1年以上、年間授業時間数800時間以上

『職業実践専⾨課程』が2014年度よりスタート

2014年度より始まった「職業実践専⾨課程」は、「⾼等教育における職業実践的な教育に特化した」専⾨課程を認定する制度です。職業に必要となる実践的で専⾨的な教育を企業などと連携しながら⾏うなど、⼀定の要件を満たす学科が⽂部科学⼤⾂より認定されます。

職業実践専⾨課程の制度には、専⾨学校の職業教育⽔準を維持、そして向上する⽬的があります。そのため、「職業実践専⾨課程」に認定された学科はこれまで以上に専⾨学校が企業等と連携し、めざす職業に必要となる様々なスキルを⾝につける教育を⾏っています。

またこの制度では、企業等と連携し組織的に教員の研修を⾏うことや、学校についての情報を公開することなども義務づけられ ています。職業実践専⾨課程として認められた学科は、より⼀層、社会と結びついた教育内容となることが⾒込まれています。

職業実践専門課程認定学科

認定校数認定学科数
全国1,084(39.4%)3,154(44.2%)
岡山県1559
文部科学省「職業実践専門課程の都道府県別認定状況について」より(2022年3月25日現在)

「専⾨⼠」と「⾼度専⾨⼠」の称号付与で⼤学・⼤学院への編⼊も可能

専⾨⼠とは⽂部科学⼤⾂から認定を受けた2年制以上の専⾨学校を卒業すると与えられる称号です。
また、これに加え⼀定の基準を満たした4年制の専⾨学校を卒業すると⾼度専⾨⼠の称号を得ることもできます。
⼤学卒業者の「学⼠」に次ぎ、短⼤卒業者の称号「準学⼠」と並ぶ称号で、専⾨的な知識と技能を⾝につけた証として、実社会の中でも⾼い評価を受けている称号ともいえます。

専⾨学校を卒業して専⾨⼠の称号を受けた⼈(または受ける⾒込みの⼈)は、編⼊試験を受けることにより、⼤学2年次または3年次への編⼊学が認められています。また⾼度専⾨⼠の称号を受けていると、⼤学院への進学も可能です。

修行年限総授業時間・単位数要件
専門士2年以上1,700時間(62単位)以上
  • 試験等により成績評価を行い、その評価に基づいて課程修了の認定を行っていること
高度専門士4年以上3,400時間(124単位)以上
  • 体系的に教育課程が編成されていること
  • 試験等により成績評価を行い、その評価に基づいて課程修了の認定を行っていること

社会で役⽴つ特徴的な教育

全国の専⾨学校数は2,754校(国立8校、公立183校、私立2,563校)あり、607,029⼈(2021年5月1日現在)となっています。2021年度の専⾨学校進学率は24.0%で、⼤学(54.9%)の次に多い進学先となっています。
専⾨学校はめざす職業につながる実践的な教育を⾏っており、各分野のスペシャリストを育成しています。
教育内容には、演習や実習を多く取り⼊れた授業や早期からの就職指導などがあり、社会に出てすぐに活躍する⼒を⾝につけます。
専⾨学校では、職業に就くための専⾨的な知識や技術に加え、社会⼈として必要な実践⼒や対応⼒を総合的に教育することで、社会のニーズに応える⼈材を毎年輩出しています。